住まいの耐震性
兵庫県には建物の(簡易)耐震診断を
無料又は格安で行う制度があります。
但し昭和56年5月31日以前に着工した
建物であることなどが条件としてあります。
私は、その簡易耐震診断員の資格を持ち、
既に何十軒もの診断をさせていただいています。
お伺いした多くの建物では、
耐震強度が足りていないことが多く、
多分私が御伺いした家だけでなく、
他のお住まいも同じかと思います。
それは何故かと言うと古い建物は「耐震」
と言う概念が無く建てられているからだと言えます。
即ち、壁が非常に少なく開放的な建物が
多いと言うことです。
昔の家の造りと言えば襖や障子で部屋を
仕切ることで個室を確保したり、
それらを開放すれば大きな部屋が出来上がる、
非常にユーティリティーなものでしたので、
当然と言えば当然ですね。
現代は、そのようなライフスタイルからは
大きくかけ離れ新しい家では、
完全な個室が設けられるようになっているため、
壁の量も随分と多くなり、その壁を耐震壁
(地震の揺れに抵抗する壁)として活用する
ようになっています。
では、そのような古い建物に耐震性を
確保するには、どうすれば良いかと言うと
耐震補強と呼ぶ工事が必要になります。
しかし、この耐震補強工事が意外に
普及していないと言われています。
それは何故かと言うと、
費用の問題が一番のハードルであろうとは
思うのですが、それ以外にも理由が
あるのかもしれません。
同じく兵庫県には、その補強工事における
費用を補助する制度もあるのですが、
利用する方々も意外に少ないようです。
知らないだけなのか、はたまた制度の
ハードルの高さなのかは分かりませんが、
もう少し利用されても良いのになあと思っています。
耐震補強の方法としては筋交いを入れたり、
構造用合板と呼ぶ板を張り付ける方法が主です。
(但し、他にも方法はあります。)
ただ、これらの方法では床も天井も
一旦全て解体しないと出来ない工事のため、
補強費用もそれなりにアップすることが
考えられるのですが、
そう言ったハードルを下げる意味も踏まえ、
補強方法にも進化が見られます。
実験で得られた方法によって床や天井を
全て解体しなくても出来る補強方法も
確立されています。
耐震強度を上げれば実は基礎も関係
してくるのですが、基礎に極力負担をかけずに、
やわらかい壁
(硬すぎない壁と表現してもいいかもしれませんが)を
多めに配置する方法でコストも抑えながら
補強することを考えられるようになっています。
そうすれば、補助金を上手に活用することを
視野に入れ、住まいの耐震性を上げることも
可能となります。
皆様も上手に補助金を活用しながら
いつ起こるか分からない地震に備えませんか?