兵庫、京都、大阪で誠実に丁寧に木の家をつくる芦田成人建築設計事務所

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耐力壁について

某倉庫工事打合せ

間口わずか、2.0mのこの建物ですが

間口に対して奥行の長い建物では

えてして間口方向一杯に出入り口やシャッターなどを

設けたくなります


しかし、そうすることで

間口方向の耐力壁量を確保出来てない

なんてことになります

(あくまでも木造軸組み工法での話ですが)


特に建物用途がガレージになる場合は

そうなりがちです

写真がその建物の内部です

内部は、これでほぼ完成

写真の奥左手の方に少しだけ壁があるのが

お分かりいただけると思います

この壁と写真一番奥の出入り口の左手にも

少しだけ壁を設けています

この2枚の壁が耐力壁になります


何も考えずに間口一杯の幅の出入り口などに

してしまうと、どうなるのか?


使い終わったテッシュペーパーの箱を思い出して下さい

箱の両端には指を入れて箱のサイドをぱかっと

開けることが出来るような加工が施されていますね

そして、両サイドをぱかっと開くと

箱は平行四辺形に、そしてやがて

1枚の薄い板のようになり箱の形を留めません


そうなんです、間口一杯の出入り口を設ける

と言う行為は、大きな地震が来た際に

この空き箱のようになり、倒壊してしまう可能性が

高まるのです


なので、窓だらけの家は明るくていいのですが

上記のような心配があるため、注意が必要になるのです

上の図 A の右側のY方向には全く壁がありません

これを補正するには B の図のように赤く描いた袖壁を

耐力壁として設ける事で、先のような倒壊を

防ぎやすくなります