兵庫、京都、大阪で誠実に丁寧に木の家をつくる芦田成人建築設計事務所

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巻き戻す

車で走りながら、眺める景色は「ああ、(工事を)やってる、やってるっ」って感じなのですが

いざ、建物に近づいて真正面で現場を見ると、何だか寂しいんです。

何故かと言うと、それは解体工事だからです。

いつも見る景色はゼロから徐々に形が出来てきて完成間近になるとワクワクし、そして引渡しの頃には少し物寂しい、そんな感じなのですが

今回は最初から寂しいんです。

それは、今の情況がゼロになるからなのですが、まるでいつもの景色を巻き戻すようで複雑です。

その場に立った瞬間に何かを感じる経験をしたのは大学生の時に奈良に東大寺を見に行った時以来かもしれません。

東大寺は小学校の時に遠足か何かで、それまでに一度は訪れたことがあったはずですが、大学生の時の訪問は純粋に建築学生としての見学でしたので空気感や雰囲気、建物のボリュームやサイズ感を感じに行ったはずです。

その時の感覚は、一瞬のタイムスリップでした。

何を言うとるねん?と思われるかも知れないのですが、本当なのです。

今回の建物は保育園ですが、まさか解体工事に設計者として関わることになるとは思ってもいませんでしたが、面白い経験をさせて頂いています。