兵庫、京都、大阪で誠実に丁寧に木の家をつくる芦田成人建築設計事務所

View Original

使える収納、使えない収納

本日も御訪問ありがとうございます。

さて、移り住んだマンションにある収納は奥行きが浅く(一番深いところで約60㎝程度)しかも奥の壁が斜めになっていたため浅いところでは30㎝を切る奥行きでおまけに開き戸が付いていました。(図参照)ここではベッドは置かずに畳の上に布団を敷き寝起きしていましたので布団を敷いてしまうと収納の扉の開閉もままならず使い勝手の悪いものでした。この場合、かえって扉は無い方が使い勝手のいい収納になっていたに違いありません。corp1

 

もっとも一段床が上がった畳の下には側面からの引き出し式の収納がありましたので先にも挙げましたようにこちらはたっぷり収納できたのですが・・・。

このように収納は只単にスペースがあればいいという訳でもなく用途に応じ扉の有無、開閉方法、ボリュームが適切に設定されていないと本当に使えない無駄なスペースとなってしまいます。

ですから私共では新しい住まいに持ち込む家具や道具などがある場合、それについて細かく寸法や戸の開き勝手などまで伺う事があります。

タンス部屋以前、設計させていただいたお宅では、タンス部屋を要望されました。8畳程度の大きさの部屋に持ち込むタンスを全て収めてしまい、外出及び帰宅時に家族がここで着替えを済ませて入外出されると言う生活パターンです。写真はそのタンス部屋で8棹の手持ちのタンスが入るようになっています。また写真には大工仕事による洋服掛も写っています。これはフローリングをはぎ合わせて板状に加工し棚として箱型に組んだ物です。又天井に付く照明はラインに沿って動かすことが可能で適切な場所へ移動させてタンスの中を照らそうと言う意図で設けたもので、後で器具を買い足し、先に設置しているラインに嵌めるだけでOKと言う物です。

収納は多いにこした事は無いですが、多すぎると住まいの中に余計なものが沢山増えると言う事も考えられる訳で、それぞれのライフステージとその後のステージに応じた適切な量を把握して設けていただく事が肝心ですね。